システム開発は投資です。投資には必ず投資効果が期待されるので、その効果を説明できないシステム開発は経営層から承認されません。皆さんは、投資効果の説明にさぞ苦労していることでしょう。

期待する投資効果を定量的な数字に落とし込めれば、そのPJの50%は完了したも同然です。その定量的な数字とは?それは“お金”です。“お金”は誰もが分かるが最も分かり易い数字だからです。

稼働削減、生産性向上、業務の効率化、業務変革、販売促進、システムの信頼性向上、セキュリティの向上、ユーザエクスペリエンスの改善等などを目的としたプロジェクトが多々ありますが、これでは効果を明確にしたことにはなりません。例えば、稼働削減とはいくら費用を削減するかに置き換えて考えるべきです。時間、人、モノ、品質などは“お金”に換算することができるはずです。

期待効果を定量的に示しておけば、システム導入後の効果測定もスムーズに実施することが可能になります。システム開発は、開発着手前と開発完了後の業務がとても重要なことを理解していただけるでしょう。

ちなみに、よくある開発目的を“金”に結びつくことをビジネス的な観点で見てみましょう。

(1)売上を上げる→利益が上がる→“金”
(2)コストを下げる→利益が上がる→“金”
(3)品質を上げる→顧客の信頼性が上がる→需要が上がる→売上が上がる→利益が上がる→“金”
(4)納期を守る→タイムリーに市場をとらえる→売上が上がる→利益が上がる→“金”
(5)顧客満足度を上げる→需要が上がる→売上が上がる→利益が上がる→“金”
(6)安全性を上げる→顧客の信頼性が上がる→顧客満足度が上がる→需要が上がる→売上が上がる→利益が上がる→“金”
(7)リスクを下げる→機会損失を最小化する→損失利益を最小化する→“金”
(8)モチベーションを上げる→生産性が高まる→利益が上がる→“金”
(9)コンプライアンスを守る→顧客の信頼性が上がる→顧客満足度が上がる→需要が上がる→売上が上がる→利益が上がる→“金”
(10)環境貢献、社会貢献→会社の好感度が上がる→需要が上がる→売上が上がる→利益が上がる→“金”

効果は“金”で表せる。