システム開発でよく目にするのが、業務分析から課題とされた、全ての機能を実現しようとすることである。もう少し分析を深堀し、各パートにおけるシステム化の複雑性と期待効果を算出することが肝要である。
自動車工場の生産ラインにおいて、第一に機械化(ロボット化)する工程は、作業が簡易で作業量が多い部分である。複雑で熟練が必要な工程は後回しされるのは当然である。
繰り返しになるが、システム化検討や業務分析により、システムの適用範囲は明確に設定することが重要だ。複雑な業務を無理やりシステム化することで、システム開発の工程に多大な影響を与えるからだ。複雑な機能開発20%に全体コストの80%を費やしている。開発はシンプルにすることが肝心。しかし、その20%の機能開発を実施しなければならない場合は、プロジェクトを別プロジェクトとして切り離し、そのプロジェクトの中で、費用対効果を明確にしてから開発に着手すべきである。
機能毎の費用対効果を出しているなら別であるが、そんなプロジェクトにはめったにお目にかからない。