新幹線台車に亀裂が発見され、あわや大事故につながりかねない問題が発生した。原因の調査が進むにつれて芋づる式に問題点が発覚している。JR西日本の対応、川崎重工の製造工程、そして問題は他社製台車の問題発覚まで広がった。
問題の中で、私が注目したのは、製品の出荷検査、納品検収だ。3月14日の中日新聞「のぞみ亀裂、日本車両製台車にも傷 川重製と同型4台」によると、JR東海の超音波検査で、亀裂の起点とされている溶接部の傷が日本車輌製の台車でも見つかった。ならば、今までは超音波検査はしていなかったのか?川重による出荷時検査やJRによる納品時の検収検査では超音波検査は実施していなかったことになる。納品されてからの超音波検査で製造時の傷を発見しても遅すぎる。
社会の論調では、問題の責任は製造業者にあるとされているが、システム開発に携わっている身としては、これは製造業者だけでなく発注者のJRにも責任があると思ってしまう。
この亀裂は故意による手抜きで発生したものではないと思うが、程度にはよるが性悪説で物事を進めること、すなわち検査の手抜きをしないことが、品質を維持向上させ、安全安心なサービス提供が可能となる。事故の発生が検収検査であってはならない。