姉歯事件は2005年に明るみになったマンションの構造計算書偽造問題である。これは、設計書を見た同業者があまりにも幼稚な偽装に危機感を持って検査合格を出した日本ERI等に直接説明に行ったのがそもそもの発端だそうだ。 なので、発覚のきっかけは「同業者の告発」ってことになる。
この同業者の告発がなく偽造が明るみにでなければ、どうなると想像できるか?大地震が発生した際に、建物の崩壊により多くの命が奪われ、この時点で構造計算に欠陥があったことが判明することになる。
建物の場合、目に見えないコンクリート内部や基礎がどのように工事されたかをみることができないので、エンドユーザーは、設計事務所や施工業者を信頼するしかない。
私が良く言うのが、『建物の受入試験は地震が発生しなければ終了しない』、これは地震をシミュレートすることができないので、実際の地震が発生するまでは受入試験は終わらないという意味である。だから、これは建設業界の中では手抜き工事がなくならない一つの原因なのだ。
では、システム開発の場合はどうか?
プログラミングはソフトウエアなので、ほぼ全てのケースをシミュレートすることができるため、建物のように、自然現象を待つ必要はない。想定できる試験ケースは全て実施せよ、開発者も手抜きはやらない方がいい、必ずバレル。
ちなみに、私のマンションは築15年、未だに受入試験は終わっていない。(怖い)